「糖質は取っちゃダメ」
「たんぱく質を100g毎日取ったほうがいい」
そんなコトよく聞きませんか?
「そもそも、たんぱく質はなんなの?」
「糖質?炭水化物?ビタミン?よくわからない」
そんな方必見。
・体って何からできているの?
・糖質、脂質は取りすぎると良くないの?どれくらいとればいいの?
栄養学にハマったきっかけ
実は、大学の時、たんぱく質の実験を行っていました。
研究内容は「たんぱく質の摂取行動について」です。
ラットにアミノ酸スコア100%と必須アミノ酸を1種類欠乏させた餌の2種類を用意。必須アミノ酸という名の通り、欠乏させた餌を食べると体は思ったように大きくなっていかない。
この2種類の餌を用意しておくとラットはどうすると思いますか?
これは想像の通り、アミノ酸スコア100%の餌を選択摂取します。
必須アミノ酸を欠乏させた餌はほとんど食べないんです。
不思議じゃないですか?
気が付いたら生命維持の仕組みの虜になっていた、一部のご紹介です。
・たんぱく質・脂質・炭水化物を理解出来る
・PFCバランスについて
体→水分:たんぱく質:脂質=62.6%:16.4%:15.3%
体の組成を大きく分けると水分、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、糖質です。
水分、たんぱく質、脂質で94.3%。
糖質の少なさが以外ですよね。
食べることが昔から大好きだった私は疑問に思ったことがあります。
「食事ってなんで必要なんだろう?」
「植物は水と二酸化炭素だけでなんで生きていけるの?」
「牛はなんで草だけであんなに大きくなれるんだろう?」
この違いは「体内で体作りに必要な素材を生成出来るかどうか」です。
植物は光合成の力を使い、エネルギー源である糖質を作ることが出来ます。
牛は胃が5個もあり、その中に住みついている微生物の力によって食物繊維(セルロース)をエネルギー源にできます。
ビタミンCは人間の体内では作れませんがモルモットは体内で生成出来ます。
以前の私からは信じられませんが、動物・植物を知ることで
人体の理解が深まりました。
人間って生命維持の為に、食事からの摂取に依存しているんですね。
人間の体の中では生命維持に必要な材料を合成出来ない分を食事から補っています。
食事から摂取が必要な大枠が3大栄養素であり、ビタミン・ミネラルを含めると
5大栄養素なんて言ったりもします。
3大栄養素とは→①たんぱく質・②脂質・③炭水化物
たんぱく質
からだはたんぱく質から出来ている。
筋肉、臓器、血液、骨、皮膚、髪、爪。どれも主成分がたんぱく質であり生命の維持に欠くことができない。生体の乾燥重量(水分を除いた)の約50%がたんぱく質です。
ちなみに、たんぱく質の英語名のproteinはギリシャ語のproteiosに由来し、”第一のもの”、”最も重要なもの”を意味しています。
たんぱく質は21種類のアミノ酸がペプチド結合した化合物です。
大きさはアミノ酸の数が4,000個~数億個までと多種に渡っています。
21種類のアミノ酸のうち、9種類(バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、メチオニン、リジン、ヒスチジン)を必須アミノ酸といい、体内では合成されない為、食事での摂取が必要。
体内のたんぱく質は1日、4g~5g/kg代謝(分解)されている。体重60キロの人であれば240g~300gのたんぱく質が1日で代謝されている。
この分解されたたんぱく質の利用率が100%であるならば食事からの摂取は必要ないのですが、分解された、たんぱく質の一部は体外に失われる。
そこで食事から、たんぱく質を1日1g/kg摂取が必要になってくる。
体重60gの人であれば60gくらいの摂取が必要。
脂質
エネルギーの貯蔵に最適
脂肪1g辺り9Kcalのエネルギーを産生します。これは糖質・たんぱく質4Kcalの2倍以上あります。また、水に溶けにくく、有機溶媒によく溶けるという特徴から、ホルモン、細胞膜、核膜を構成したり、生命維持において重要な働きをしている。
1本のグリセロールに3本の脂肪酸がくっついています。これをトリグリセリドといいいます。よく健康診断でも中性脂肪がといったりしますが、中性脂肪=トリグリセリド。
体内では生成できない脂肪酸(必須脂肪酸)は食事からとらないといけない。
炭水化物
エネルギー源になる ATPを生成する
糖質は、1g辺り約4 kcal のエネルギーを産生します。
また、からだの脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋等、通常はぶどう糖(グルコース)しかエネルギー源とし て利用できない。
脳は、体重の2% 程度の重量ですが、 総基礎代謝量の約 20% を消費すると考えられています。
よく「糖質と炭水化物って同じなの?」と混在しがちですが、
糖質(エネルギーになる)+食物繊維(エネルギー源にならない)=炭水化物です。
従来、食物繊維はあまり栄養学的意義はないものとされていたが、1970年代~の研究でとても注目されるようになりました。
機能として、排便促進作用、食後の急な血糖値上昇の抑制、コレステロールの吸収を抑制などが明らかになっている。
また腸に100兆個いるとされる腸内細菌は食物繊維を餌に生きています。
人間に無駄はないのかというくらいの仕組みに感動ですよね。
PFCバランスが大切
巷で「PFCバランスの良い食事を取ったほうが良いよ」なんて聞きませんか?
そもそもPFCってなんなんだろう?
Pはたんぱく質(ProteinのP)、Fは脂質(FatのF)、Cは炭水化物(CarbohydrateのC)
では、実際に現在どれくらいのバランスなんだろう?
各国の推移を見てみます。
各国のPFCバランスの推移
「和食は体にいい」なんて聞きますよね。
ただ、昔に比べ日本の脂質の摂取割合が急上昇しているのが分かるかと思います。
それにくらべ、米国やフランスの脂質摂取割合は40%程。
もちろん脂質も生命維持に必要ですが取りすぎには注意が必要です。
最適なPFCバランスは?
なるほど。理想的な割合は
たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%
なんですね。
まとめ
3大栄養素とは、糖質、脂質、たんぱく質のことです。
主な役割は
・炭水化物はエネルギー源
・脂質は効率的な貯蔵方法
・たんぱく質はからだの材料
PFCバランスを意識した食事をとることは大切。
糖質・脂質の取りすぎに注意すること。
糖質50%~65%、脂質20%~30%に抑えることが重要
※たんぱく質は13%~20%
かといって、糖質も脂質も生命維持に重要な働きをしているので過度に抑えないように注意が必要。
昔の人はよく「なにごとも中庸が・・・」といいますが、体の中でのバランスってとても大切なんですね。
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)、人体栄養学の基礎、食品学Ⅰ、トートラ解剖学
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